鮫島 俊哉 准教授 研究紹介
研究者情報
本研究室では,音響工学,特に,
(1) 音響・振動システムの“理論解析および数値解析”
(2) 音響・振動システムのパッシブ・アクティブ“制御”
の研究を行っています。
研究の対象には特にこだわらず,いろいろな音響・振動システムに関する,理論的・解析的な研究を行っています。
数学と物理学に立脚し,紙と鉛筆を徹底的に使用して研究を行っています。
本研究室では,アカデミックな知識を着実に修得し,それにしっかりと立脚した,トラディショナルな音響工学の研究を,志向していきたいと思っています。
これまでに,本研究室が取り組んできた具体的な研究テーマは,以下のようなものとなっています。
(1) 音響・振動システムの“理論解析および数値解析”に関する研究
○ 各種形状の障害物(有限長円筒,直方体,薄板など)による散乱音場の理論解析
○ 楽器(気鳴,弦鳴,膜鳴,体鳴,電鳴楽器)・舞台装置(平台,雛壇など)の振動場・音場・流体音響場の連成解析(図-1をご参照ください)
○ 電子楽器用物理モデル音源の高忠実度化・高精度化・高能率化
○ 電気音響変換器(コーン形スピーカ,分布振動モード形スピーカ,ヘッドホンなど)の音響振動連成解析
○ 海洋音響における音波伝搬解析・地震波伝搬解析
○ 鉄道用レールの振動とその放射音(転動音)の連成解析
(2) 音響・振動システムのパッシブ・アクティブ“制御”に関する研究
○ 楽器・舞台装置・電気音響変換器のパッシブ・アクティブ制御(アコースティックエレクトリックギターのアクティブ制御,ウルフキラーの最適設計,チェロのエンドピン・エンドピンストッパの最適設計,ヘッドホンの振動制御,スピーカの非線形歪み除去など)
○ 音響メタマテリアルへの制御理論の導入
○ アクティブ制御型音響材料(吸音材や遮音材)の開発
○ 音場再生システム・騒音振動制御システムへの先進的制御理論の導入(図-2をご参照ください)
○ 制御理論に立脚した高精度・高能率A-D 変換器(1 bit 量子化用デルタシグマ変調器) の開発とロスレス圧縮符号化への応用
図-1 ドラムのヘッドとシェルの振動と
放射音場の連成数値解析
図-2 フィードバック制御の機構を導入した
トランスオーラルシステム